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つい先日、氷室冴子氏が亡くなったことを知りました。
享年、51歳。若すぎる死でした。

もう二度と、瑠璃姫や高彬の活躍を、色男の鷹男の帝も、意外と情があるあき姫(漢字がでない)も、弟の融たちのドラマをみることができないのだなあと思うと、淋しいかぎりです。

最近、本屋で、「なんて素敵にジャパネスク 人妻編」のコミックスをみかけたので、また新しいシリーズを小説ではじめたのかな?と思っていたのに……。

わたしは、氷室氏が漫画家藤田和子氏とくんだ「ライジング」がとても好きでした。


「ライジング」は、宝塚をモデルにしたお話で、主人公、仁科佑紀が、歌劇団とはしらず宮苑にはいり、高師(字が違うかも。手元に資料がないので)という演出家にあって、のちに女優としていきていくという内容です。

圧巻だったシーンがふたつあって、宮園で別格あつかいをされていたユキが、高師とのトラブルの末、劇団をとびだし、舞台にでたいと一から外部ではじめてオーディションをうけるところです。

ひとつは、出来レース(はじめから主役がきまってるのをかくしている)のオーディションとはしらず、全力で舞台にたつも当然おとされます。いっしょに試験をうけていた役者仲間に本当のことをきかされ、絶望するも、その役者が彼女にいうんです。

「あなた舞台がすきなのね。舞台もきっとあんなにつかってもらって、喜んでいると思う。……いつか舞台があなたを選ぶわ」と。


もうひとつは、ふとしたきっかけで舞い込んできた「メリィティナ」のお芝居の公開稽古のシーンです。この「メリィティナ」は、実は、ユキをこころよく思っていない人間がわざと彼女を誘い出し、役を与え、恥をかかそうとするのですが。

倉田吾朗という演出家特有の、倉田式メソッドで、わずかの設定から役をつくりあげるという、いままでにない稽古の仕方にとまどうユキ。彼女の役はいまや大女優となった主役メリィティナが、まだ貧しかった頃もっていた夢や希望、なくしてしまった純粋さを思い出させるため、ティナのライバルともいえる存在です。

公開稽古のうえ、次々と倉田に、与えられている役がどんな人間かをたずねられ、しだいに答えられなくなっていく彼女はそれでも、やっと得た役をはなしたくないと、倉田に向かっていきます。そして……。(ごめんなさい。ここらへん、うろおぼえなので正確じゃないです)

「なるほど。きみのティナへの感情はよくわかった。で、名前は?きみの名前はなんだ?」

「クス。偶然ね。ティナがあんなに忘れたいと思っているのに……」

「     」

「そう。わたしは     というの」


というシーンです。このやりとりで倉田吾朗はユキを汚い手段をつかっておとすことをあきらめるのです。

うまいな~。うまいな~と思って、わたしは読んでました。


ライジングは一度コミックを全巻そろえたものの、手放して、でもふたたび文庫本でそろえたほどほれ込んだ漫画でした。

劇中劇の「レディアンを探して」は角川文庫で出版されましたし、個人的には、砂漠のライラの話を読んでみたかったです。


この十年ほどは、めだった執筆活動はしてなかったそうですが。読みたかったです。もっともっと読みたかったです。


ひとの生ってほんとうにはかない……(涙)。


ご冥福をお祈りします。






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2008.06.12 Thu l 小説家 女性 l COM(2) TB(0) l top ▲
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